May 27, 2006

外国語の作文

大学講師の知人から聞いた話。実話です。

意味わかりますか?

I am piano pull.

大学の補講で英作文を課したとき、提出されたニホンジン学生の手によるものだという。

これはすごい。なんか哲学的ですらある。脳科学の領域のような気もする。

特にうなった箇所は、「私は」=「I am」という処理。

「am」はコピュラ(繋辞 A=Bというときの「=」に近い)なんで、強いて訳せば
「は」ではなくて、「です」なんですけどね。

ま、それは閑話休題。

フランス人のフランソワは、日本語を習い始めた当初、ずいぶん苛立っていた。
「一つ一つの単語の意味をフランス語に置き換えれば、ドイツ語は文意がとれたのに」と嘆くのである。グランゼコールをでている矜持ゆえ、ドイツ語を勉強したときのペースで教科書が進まないのが歯がゆいらしい。

「ここは地のはて、極東のニッポンである。インド=ヨーロッパ語に属するフランス語と、今のところ親戚すらみつからない(とされている)ニホンゴは、言語ファミリーがまったく違う」と、おどろおどろしい説明をして、脅かしてやったのもいい思い出である。

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May 24, 2006

一番ラクな仕事

前に日本語を教えていたイギリス人のエクスパット(駐在員およびその家族)が、帰国することになり、そのさよならパーティーに行ってきた。いやー、イギリス人ばっかり。50人以上はいたのではないか。

日本人は、私を入れて3人。しかし、私以外の2人は配偶者がイギリス人。

本業の仕事のことを話すのもめんどくさいので、「日本語教師だ」と自己紹介すると、まるでおそろしいものを見たかのような顔をする。

ははー、みーんな、早々に挫折しているなとすぐわかる。トラウマに触れられたくないのである。

早々に自己紹介はやめて世間話に切り替えると、隣にいた女性、のたまひていはく、
「このあいだまで、英語の先生、やってたの。もーねー、信じられないぐらいラクな仕事だった。生まれてこのかた、あんなラクな仕事ってなかったわね。
だって、指定された時間にスターバックス行って、1時間、テキトーにおしゃべりして帰ってくると、銀行口座に
お金が振り込まれるのよー」。

誰か、日本語教師でこのブログ読んでる人いませんか?
ぜひコメントください。

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April 25, 2006

北京再訪

北京に10年ぶりに遊びに行った。

秋から論文を書き始めるので来るなら今、と友達にせかされて、即刻決断。

外国語学習に関する再確認事項2つ

1.フレーズ丸暗記は、再現性に非常に優れている

今回は中国人の友達と一緒なので、中国語は全然復習せず。
したがって10年前に3ヶ月勉強したまま、風化状態。
どこまで覚えているか、人体実験だと自分で興味津々。

予想通り、文法・語彙を組み合わせての発話行為はできないのに、丸暗記したフレーズはすらすらでてくる。

これが検証されたのは、友人とは離れて、タクシーに乗ったときである。
蛮勇をふるって運転手さんと中国語会話を試みるも、行き先すら通じない。

がっくり。

が、その瞬間、口をついてでたのは、
「中文的発音太難了!」というフレーズ。
我ながら発音もなかなかよろしい。有気音も強烈であった。

運転手さん、行き先はわかってくれないのに、これには即座に反応して大笑いしていた。

2.外国語は留学せずとも、ぺらぺらになれる

空港からの送迎と、北京郊外にある頤和園(いわえん)への半日観光の際にアテンドしてくれたガイドさん*は、26歳の愛くるしい美女であった。
彼女は留学経験なしだが、流暢な日本語をあやつる。
日本語教師たるワタクシの文法モニターによっても
ほぼ非文(文法的に間違いのある文章)なし。立派なものである。

*友達がアテンドしてくれるというのに、なぜガイド付きなのか
ANAから発売されている「旅作」という個人旅行予約システムをつかったら、空港・ホテルへの送迎が100円、郊外への観光も100円という激安料金だったので、タクシーより安いと予約。
中国人の友達にいわせると「バスより安い」とのこと。

これ、おすすめ。発着便とホテルを選択すると、システムが自動的に料金を表示してくれて、Webからそのまま予約可能。しかも、他の旅行社のツァーよりリーズナブル。

ANAとは個人的には何の関係もありません。念のため。

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February 16, 2006

欧陽菲菲の有気音

欧陽菲菲が好きである。
で、このたび初めてCDを買った。
(アマゾンのレコメンデーションシステムよ、欧陽菲菲の購入者に氷川きよしを奨めるのは間違っているぞよ)

すごいなあ、うまいなあ、かっこいいなあと聞いているうちに、日本語教師はどーでもいいことに気が付く。

タ行とダ行を有気、無気で対立させていることを発見。

たとえば、「私はあんたを忘れはしない~♪」のフレーズの「た」の音は、全部有気音であった(TとAの間に息が入ると思ってください。桑田佳祐の「た」と同じ)。

カ行、ガ行は有気、無気ではなくって、ちゃんと清音、濁音になっていた。
中国語を母語とする話者は、なぜ、タ行のみ清濁の区別が難しいんだろう。

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January 03, 2006

明けましておめでとうございます

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放置続きのこのブログですが、とりあえず新年のご挨拶。

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November 19, 2005

フォリナートーク2

ひさしぶりにグラスゴーに住んでいるMattyに電話したら、なんたること!ゆっくり、はっきり、音節をしっかり区切って話すではないか!おまけにあのイングランド北部の訛りがとれている!ははー、これはフォリナートークだなと、ピンときた。英語教師の資格(ESL)をとるために、学校に通っているとは聞いていたが、実際に仕事として教え始めたので、外国人である私の英語を耳にするやいなや、自動的にフォリナートークのスイッチがオンされたに違いない。

これは語学教師としてちょっと危険かもしれない。るもんがさんも、「スローじゃないほうが良い?」で言及しているが、離乳食はなるべく早い時期に切り上げたほうがよいのである。

これは私を含む語学教師の悪癖の一種。学習者に親切というよりは、何度も学習者から聞き返されないようにするという自衛策、そして自信を失わせて学習意欲をそがないようにしようという老婆心から発生することが多い。

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October 18, 2005

「は」と「が」雑感

タイトルにあるように、あくまでも雑感。
「日本語に主語は存在するか」あるいは三上文法なんて遠大な話ではありません。

北京の大学で日本語を教えている友達のTさん(中国人)に頼まれて、論文の添削をしている。Tさんの友達が中国語で書いた論文をTさんが日本語に訳し、それを私がブラッシュアップしているという次第。

うーん、やっぱり、詰まるところは、「は」と「が」。
Tさんは30代後半、日本に2年間留学した経験もあり、会話で違和感を感じることはほとんどない。なんたって日本語の先生である。ところが、文字にしてみると、「は」と「が」の使い分けが50パーセント以上の確率であやしい。

たまに仕事で日英翻訳のコーディネーターまがいのことをすることがある。帰国子女で翻訳一筋ウン十年というプロでもネイティブチェックをかけてみると、最終的には、単数・複数、定冠詞・不定冠詞の間違いが散見される。

さて、これはプロの翻訳者や通訳を目指しているわけではない我々にとって何を意味するか。

1.限りなくネイティブに近づくべく、さらなる研鑽を積むべし
2.プロでもこのレベルだとすると、他の文法やら語彙の習得に励むほうが時間効率がよい

レイジーな私はやっぱり2だなー。1は「日本語道」、「英語道」って感じがする。

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October 12, 2005

母語の外に出る

「母語を外国人に教える」という行為は、一種のエクソフォニー、母語の外に出ることだと、多和田葉子の「エクソフォニー 母語の外に出る旅」という本で教えられた。

外国人の生徒からふいに質問を受けると、空気や水のようになじんだ母語の音と意味と文字が、はらはらと剥離していくような感覚に襲われる。三位一体でしっかりくっついていたはずの音と意味と文字が、見覚えのない分子の塊になって崩れていき、空気や水は姿を消してしまう。

「風を引く」?ん?風邪のこと?
バイオリンをひく? 糸をひく?辞書をひく?気をひく?カーテンをひく?

「ええっと、字が違います」と反射的にこたえようとして、理性をとりもどす。字は違わない。音と意味はもともとくっついているはずだ。字は意味にあわせて借りてきただけ。
ここで辞書をひいたり、語源を調べたりすると面白くないので、生徒にはちょっと時間をもらう。そのあとは家に帰って、因数分解をこころみる。

共通因子は、指先でひっかけて手前に引き寄せるような動作のこと?
じゃあ、ピアノは?でも、三味線や琴なら大丈夫だ、ピアノという楽器が日本にはいってきたときは、もう「弦楽器+ひく」とすでにセットになってたんだろう…。こんな具合に確認作業を続けていく。

多和田葉子はこんなふうに書いている。

私の関心のあるのは、外国語の場合は言葉と脳の関係が違うということと、詩的思考の場合は、わざと言葉の分類と配置を組み替えようとする努力が見られることである。
中略
離れた場所に記憶された単語同士を結びつけて電子を飛ばし続けているうちに、詩人の脳の中に自分だけの連絡線が無数に張られていくのではないか。それぞれの単語から蜘蛛の巣のように放射状に連絡線がのびて、いろいろな別の言葉と繋がって、しかもそれが絶えず重なりあいながら移動していくような、楽しい脳味噌が作れるのではないか。

慧眼。

詩人とこどもと外国人は、母語の外に我々を否応なく連れだしてくれる。

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September 18, 2005

強制遊学

最近の日本人は、留学というのは名ばかりで、実は遊学も同然だ、どーのこーの、と分別くさいことをいう憂国の士をいろんなところで見かける。

ところが、30代前半の幹部候補社員を毎年数百人単位で世界中に強制遊学させていた企業がある。
・学校にいってはいけない
・もちろん働いてはいけない
という条件をつけて。

この企業は、今年米インターブランド社とビジネス・ウィーク誌が共同で発表した世界のトップブランド100で20位に位置づけ、ソニーの28位を抜いたと最近話題になった韓国のS電子。

数年前、遊学中の彼らに初めて会ったとき、来日した事情を聞いてもなにやらぴんと来なかった。
要するに遊んでこい、と会社が言うのである。
MBAなんてとって、帰国後、会社の発展に寄与してはいけないのである。
同国人の友人のネットワークを形成して、帰国後のビジネスに役立ててもいけないのである。

ワンルームのマンションを借りて、毎日ぶらぶらと遊んで来い、韓国人同士で固まってくらしてはいけない、日本の社会をじっくり見て来い、というのが唯一のミッションなのである。

最初は冗談かと思ったが、実は全社をあげて取り組んでいる本格的な遊学プログラムであることがだんだんわかってきた。
遊学先は、アメリカ、イギリス、ドイツなど世界各国。滞在期間1年弱、最初、しばらく集団で研修を受け、その後は解散して、一人暮らしを始めることになる。

彼らは全員、いわゆる「エリート」で、半導体やDVDの設計にたずさわるエンジニアが多かった。受験は苛烈、仕事も24時間体制、それはそれは熾烈な競争社会で階段を駆け上がってきた彼らは、例外なく優秀だった。疾走してきた彼らの人生に1年の空白期間を設けることでS電子は彼らに何を望んだのだろう。

30代前半で幼い子供のいる家族を残し、ひたすらに打ち込んだ仕事を離れ、浪人生のように見知らぬ国で時間を送らねばならないとは、どのようなものか。
そもそも一人暮らしが初めてという人が多いのである。
その上、一人暮らし自体に耐えられないというタイプが多いのである。
結果は、「尾崎豊が心に沁みる」という人あり、会社に見つからないようこっそり新宿の韓国バーに通う人ありと、みんな思春期のショーネンに戻っていた。

日本語能力に関しては、ここに書くまでもない。日本語能力試験1級よりさらにグレードの高いS電子独自の試験にパスするだけあって、我ら日本人教師に共起制限などの文法を滔滔と論理的にレクチャーしてくれる。
私は、彼らを人間文法ハンドブックと呼んで、日本語文法についてよく質問をした。いやー、ほんとに優秀であった。

さて、しばらくたって彼らにソウルで再会すると、思春期のショーネンはきれいさっぱり消えうせて、すっかり元のモーレツ韓国人エンジニアに戻っていた。これには別に驚かないが、ミッションがないというミッションを課すS電子のスケールの大きさは、今でもやっぱり信じられない。

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September 10, 2005

突然ですが、調味料バトン

某所から調味料バトンがまわってきました。場違いですが、とりあえずここでバトンをまわします。

【Q1】次のメニューにどんな調味料をかけますか? 薬味は含みません。
目玉焼き   → 絶対にソース
納豆     → 醤油+青海苔(調味料ではないか)
冷奴     → ポン酢 (ときどき醤油+ゴマ油)
餃子     → 酢7:醤油2 :ラー油1
カレーライス → かけません!
ナポリタン  → 粉チーズ
ピザ     → かけません
生キャベツ  → とんかつの隣にあれば当然ソース
トマト    → 塩orドレッシング
サラダ    → ドレッシング
カキフライ  → とんかつソース 生食用の牡蠣ならレモン
メンチカツ  → とんかつソース
コロッケ   → とんかつソース
天ぷら    → 大根おろし入り天つゆ、天麩羅屋さんの美味しい天麩羅ならば塩でも
とんかつ   → とんかつソース
ご飯(おかず無しの時)→ ゆかり
私って意外にソース好き?
でも1本買うと数ヶ月以上もつんですが・・・。

【Q2】周囲に意外だと驚かれる、好きな組み合わせはありますか?
ソーセージ(シャウエッセンとかスーパーで売ってるやつ)にマヨネーズ

【Q3】それが一般的なのだとは知っているが、苦手な組み合わせはありますか?
おでんに辛子。シューマイに辛子。 もとの料理の味がしなくなる。

【Q4】バトンをまわしたい5名は誰ですか?
コメントをいただいた、るもんがさん、はせさん、しおかぜさん、ひろしさん、どうぞよろしくお願いします。

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September 09, 2005

フォリナー・トーク

日付がかわりそうなのに、まだ仕事中。せっぱつまってます。時間管理の悪さですねー。

逃避行動でテレビをつけたら、清(セイ)ルミ先生の日本語講座を放送中。しばらく拝見。

おぉー、発音は明瞭だがみごとな早口。日本語教師は、つい語彙を選んでゆっくり話しがちなのに、この先生はえらい。
外国人向けに、モディファイした母語を話すことをフォリナートークと言う。初級・中級では、教師も学習教材も大半がこのフォリナートークを採用しているようなものだ。私も学習者に余計なストレスを与えまいとするあまり、このフォリナートークに陥ってしまう傾向にある。が、これを続けていると、学習者はいつまでたっても隔離された環境にいるようなもので、その後、母語話者の通常の会話の聞き取りに支障をきたす可能性がある。

みなさんの外国語の先生は、レッスン中、手加減してくれますか?


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August 31, 2005

中級スランプ脱出法

自分の話を書くと、いかに自分が語学が不得手であるかを再確認する結果になり、どうも具合がよろしくない。
というわけで、今日は生徒の話に戻ります。

中級の壁はなかなか厚い。初級の頃はおぼえた単語や文型がすぐに次のレッスンや日常生活で出現して、勉強すればするだけ達成感を得られる。しかし中級も半ばを過ぎると、今勉強したことが次に出現する頻度がぐっと下がるようになり、いくら勉強を続けても読解のスピードもあがらなければ、聴解力もついたとは思えない。知らない単語の出現率もいっこうに減らないし。

なにやら大海であてもなく泳いでいるようでむなしくなってくる。こういう一種の膠着状態というか高原状態は必ず来る。みんなおぼえがあるはずだと思う。

こういうとき、ちょっと元気を出してもらうために私が取る方法は、実に簡単。
何ヶ月か前に録音した生徒自身のレッスンの様子を再生して本人に聞いてもらうこと。
かなり上手になっているんですね、実のところは。それを生徒自身が客観的に確認することで顔が輝いてくる。あー、やっぱり上達してたんだと。これで意欲が湧いてくる人が多いことは実証済み。

自分は膠着状態だと意識していなくても、モノローグでもいいから定期的に録音してみることをおすすめする。
しばらくたって聞いてみると、ほぼ確実に上達したという達成感が得られるはず。

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August 26, 2005

ネイティブの評価

ネイティブは気にしてないのに、自国の人の外国語に対する評価がえてして厳しいのはなんでなんでしょう。

私はエゴラッピンの昭和歌謡がかっこいいと思って時々聞いてるんですね。ところが、彼らの英語の歌詞カードを見ると愕然とするわけです。1行に文法の間違いがもう複数箇所あるといっていい感じ。なんか、外国でへんちくりんな日本語の看板を見たような気がします。
で、なんで、英語使うのよー、日本語のほうがかっこいいじゃない、と文句いいたくなると。

ところが、ワタクシ、クレオールとかピジンとかの英語も厳然たる言語だと思っているわけです。

じゃあ、どうして彼らの英語に違和感を抱くのか、ここが自分でも判然としないんですね。
職業柄、外国人の日本語の間違いに関してはかなり寛容なほうだし(母語の干渉というメカニズムを考えたら無理ないなと思うことが多い。ベトナム語にはこんな音素ないんだしーとか)。

シンガポールでも、シンガポール独特の英語であるシングリッシュには批判もかなりあるらしい。

やっぱり同じ日本人だからということで、評価が厳しくなるんでしょうかねー。はやりのモヒカン族というわけでしょうか。ああ、自分自身でもなんかちょっとやな感じ。

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August 24, 2005

絶対に通じなかった言語

さっきテレビをつけたら旅のベトナム語講座をやっていた。
ベトナム語には、かなしー思い出しかない。

10年前、サイゴン(ホーチミンという現地の人はいなかった)に行ったとき、、行きの飛行機の中でテープを聞きつつ「ベトナム語エクスプレスなんとか」の本にかじりついた。

海外旅行に行くときは、旅行会話を飛行機で覚えてみるというのが私の習慣になっている。これはけっこう楽しい。

まず、文法を概観。ふむふむ、形容詞が後ろね、へー、いちいち男女別の応答か、それに敬語要素も加わるんだ、などと、このあたりは一番面白い。
そのあとは、発音を概観。有気、無気の区別と声調が7声あるとは知ってたけど、実際リピートしてみると、もう全然手に負えない、あらら、あららと思いながら、アオザイ姿のきれいなフライトアテンダントに見とれているうちにサイゴンに到着。

入国審査のいっこうにすすまない長い列に並んでいるときに、配偶者にとつじょ、「これはいくらですか」って何ていうんだと聞かれたものの、そんなところまでたどり着いてないことを自覚する。「あれは水牛です」という例文は覚えたが、買い物のパートまでは達していない。水牛や天秤棒なんて単語をおぼえてどーするんだと入国前に罵倒されたのが、かなしー思い出の始まり。

その後は、どんなにがんばって「すみません」とレストランや店でベトナム語で呼びかけても、誰もこっちを見てくれない、振り向いてもくれない。タクシーに乗って、声調に忠実に慎重を期して、通りの名前を発音しても、ぜったいに、ぜったいにわかってくれない。

私のベトナム語は100パーセントの不成功率を誇る。

配偶者は、「天秤棒と水牛」のたたりだとわけのわからないことを言うが、こちらは悔しくてしょうがない。
「音声学は非常に優秀な成績だった、国際音声字母の発音試験だって満点に近かった、Mの無声音だって発音できる」と負け惜しみの塊と化す自分が哀れである。

日本語ではこんなことは絶対にない。日本語学習者よ、いかに自分が発音の簡単な言語を学んでいるかを自覚し、感謝の気持ちを持ちたまえ。

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August 21, 2005

まずは4000語

仕事で必要な記事があったので「Think」という雑誌を買ってきた。

その中で目を惹いたのが、ビジネスパーソンのための英語上達の法則という連載で、そのタイトルは、「まずは英単語4000語を覚えよう」。
基礎単語として4000語は決して多い数ではないし、もともとおぼえている単語の数も2000語以上ある人が多いだろうから、まあ、ゴールとしては穏当である。

が、その方法論が意外に過激。

・期間は3ヶ月で、一日40語を目途にせよ
・丸暗記せよ。文中に出てきた単語をおぼえるやり方のほうが長期間の意志が必要である
・アクセントを正確におぼえよ(これはまっとう)

この記事を書いた人はあまつさえこんなことを言う。

もしも特別長い時間を割くことなしに一日40語が覚えられないのだとしたら、あなたのいまの生活には、英語上達のための余裕がないということだ。残念なことだが、英語学習そのものをあきらめるほうがいいかもしれない。

ほほー、ビジネスマン相手に恫喝手法ね。

私にとっては、単なる音の羅列と、その意味を強固に結びつけるのは至難の業である。生まれてこのかた単語帳片手にひたすらに暗記ということをしたことのない(受験生のときでさえ)私にとっては驚異の上達法であった。

でも、これちょっと興味を惹かれる。時間に余裕ができたら(こんなことを言ってる時点で、語学学習そのものをあきらめよ、と怒られそう)、この一昔前の運動部的語学学習を試してみたい気がしてきた。お経をおぼえるようなものだろうか。で、この4000語の一年後の歩留まりはどのぐらいあるのだろうか。好奇心にかられる。
数値目標達成という動機付けは、ニンゲンの本性にかなっているような気もするし。

みなさんの中に単語を文脈抜きで、ひたすらに暗記したという方はいらっしゃいますか?

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